出産という大仕事を終えたママの体は、見えないところで大きなダメージを受けています。骨盤のゆがみや体幹の弱化、肩こりや腰痛……そんな不調をやさしく整えてくれるのが「産後ピラティス」。
今回は、初心者の方でも安心して取り組める、自宅でできる産後ピラティスメニューを5つ厳選してご紹介します。
赤ちゃんのお世話の合間にも取り組みやすく、無理なく続けられるのがポイントです。産後の体調や生活リズムに合わせて、ゆっくり始めてみましょう。
また、ピラティススタジオに通うこともおすすめです。
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産後ピラティスのメニュー5選
初心者でも安心して取り組める「産後ピラティスのおすすめメニュー5選」をご紹介します。すべて自宅でできる内容なので、赤ちゃんのお世話の合間にも取り組みやすく、継続しやすいのが特徴です。
骨盤調整ブリッジ
仰向けになり、膝を立ててお尻を持ち上げる動きです。骨盤の歪みを整え、腹筋やお尻の筋肉を引き締めます。骨盤底筋にも刺激を与えるため、尿もれ予防にも◎。
キャット&カウ(四つ這いストレッチ)
四つ這いで背中を丸めたり反らせたりする動き。背骨の柔軟性を高め、育児で疲れた背中や肩の緊張をほぐします。呼吸を意識しながら行うことで、自律神経の安定にも効果的です。
ペルビックティルト(骨盤前後運動)
仰向けの状態で骨盤を前後に傾ける動き。骨盤のゆがみを整え、インナーマッスルを活性化させます。動きは地味ですが、産後の不調改善には欠かせないメニューです。
レッグスライド(足伸ばしエクササイズ)
片足ずつまっすぐにスライドさせる動き。腹横筋を刺激し、ぽっこりお腹の改善に効果的です。産後に弱りやすい下腹部を優しく鍛えられるので、ウエスト引き締めにもおすすめ。
胸開きストレッチ
座った状態で胸を開くように腕を後ろへ伸ばす動き。授乳や抱っこで丸まりがちな姿勢をリセットし、肩こりや猫背の改善に役立ちます。深い呼吸と合わせて行うと、リラックス効果も高まります。
産後ピラティスの基本のポーズ
産後ピラティスの基本のポーズは、以下のように「体の土台を整える」「無理なく筋肉を活性化する」ことを目的とした、やさしい動きが中心です。特におすすめの基本ポーズは次の3つです。
① ペルビックティルト(骨盤前後傾ポーズ)
目的:骨盤の位置調整・インナーマッスル活性化
やり方:
- 仰向けになり、膝を立てる
- 息を吐きながら骨盤を後傾させ(おへそを引き込むように)、背中をマットにつける
- 息を吸いながら骨盤を中立に戻す
- 10回ほど繰り返す
→ 骨盤のゆがみを整え、腹横筋や骨盤底筋をやさしく刺激します。
② キャット&カウ(四つ這いストレッチ)
目的:背骨の柔軟性向上・姿勢改善・肩こり解消
やり方:
- 四つ這いになり、手は肩の真下、膝は腰の真下に置く
- 息を吐きながら背中を丸めて頭を下げる(キャット)
- 息を吸いながら背中を反らせて顔を上げる(カウ)
- ゆっくり5〜10回行う
→ 育児でこわばりやすい背中や肩をほぐし、自律神経も整います。
③ ブリッジ(骨盤リフト)
目的:お尻・背中・太もも裏の筋力回復、骨盤安定
やり方:
- 仰向けで膝を立て、足を腰幅に開く
- 息を吐きながらお尻を持ち上げ、肩から膝が一直線になるようにする
- 息を吸いながらゆっくり下ろす
- 5〜10回を目安に
→ 産後に弱くなりがちなお尻や体幹の筋肉を目覚めさせ、姿勢改善にもつながります。
産後ピラティスのエクササイズ方法
産後ピラティスは、出産でゆるんだ骨盤まわりや弱くなった体幹をやさしく整えるための運動です。ここでは、自宅でも簡単にできる「産後ピラティスの基本エクササイズ方法」を5つご紹介します。産後1~2か月以降、医師の許可を得たうえで、無理のない範囲で行ってください。
1. 骨盤ニュートラル呼吸(基本の呼吸法)
目的:腹横筋・骨盤底筋の活性化、体幹の安定
やり方:
- 仰向けに寝て膝を立てる(腰は反らないよう自然なカーブを保つ)
- 鼻から息を吸って、お腹に空気を入れるイメージで広げる
- 口から細く長く吐きながら、おへそを背骨に近づけるように引き込む
- 骨盤底筋も下から持ち上げるように意識
→ 5回ほど繰り返し、呼吸のリズムを整えます。
2. ペルビックティルト(骨盤傾斜エクササイズ)
目的:骨盤の位置調整、インナーマッスルの活性化
やり方:
- 仰向けで膝を立てる
- 息を吐きながら、骨盤を後傾させて腰を床に押しつける
- 吸いながら元の位置に戻す
→ ゆっくり10回繰り返すことで骨盤の安定を促します。
3. ブリッジ(骨盤リフト)
目的:お尻・体幹・骨盤底筋の引き締め
やり方:
- 仰向けで膝を立て、足は腰幅に開く
- 息を吐きながらお尻をゆっくり持ち上げ、肩から膝まで一直線に
- 吸いながらゆっくり元に戻す
→ 5〜8回ほど行い、背面全体の筋肉を鍛えます。
4. レッグスライド(足のスライド運動)
目的:下腹部の引き締め、腹横筋の活性化
やり方:
- 仰向けで膝を立てる
- 片足をゆっくりと遠くにスライドさせる
- 息を吐きながら足を戻す(反対側も同様に)
→ 左右交互に10回ずつ行います。
5. チェストオープナー(胸開きストレッチ)
目的:肩こり・猫背改善、胸郭の柔軟性アップ
やり方:
- あぐら、または正座で座る
- 両手を後ろで組み、息を吸いながら胸を広げる
- 息を吐きながら力を抜く
→ 3〜5回繰り返すことで、授乳や抱っこで縮んだ胸まわりを開放できます。
産後ピラティスの注意点
産後ピラティスを始めるにあたっては、体の回復状況を十分に考慮することがとても大切です。無理をしてしまうと、かえって体調を崩したり、腰痛や骨盤の不調を悪化させてしまう可能性もあります。以下に、産後ピラティスを行う際の主な注意点をまとめました。
① 医師の許可を得てから始める
産後の体はまだ回復途中。自然分娩であっても最低1か月、帝王切開の場合は2か月以上の安静が推奨されます。運動を始める前に、必ず医師または助産師の許可を取りましょう。
② 体調が優れない日は無理をしない
睡眠不足や疲労、体調不良がある日はお休みしましょう。産後の体は免疫力が下がっているため、無理をすると回復を妨げます。
③ 痛みや違和感がある場合は中止する
腰や恥骨、膝などに痛みや違和感を感じた場合はすぐに中止してください。特に「恥骨離開」や「骨盤のゆがみ」が強い人は、専門家の指導を受けるのが安全です。
④ 呼吸を止めずに行う
ピラティスでは「呼吸」がとても重要です。お腹に力を入れながらも、呼吸は止めないよう意識しましょう。無意識に息を止めてしまうと、血圧が上がったり、疲れやすくなることがあります。
⑤ 骨盤底筋を意識する
出産によってゆるんだ骨盤底筋を意識的に使うことで、尿もれや姿勢の崩れを予防・改善できます。ただし、強く締めすぎず「ふんわり持ち上げる」ような感覚を大切にしましょう。
⑥ 焦らず、少しずつレベルアップ
産後は「回復期」です。妊娠前と同じように体を動かそうとせず、簡単なエクササイズからスタートしましょう。少しずつ筋力と体力が戻るのを待ちながら、段階的に強度を上げていくのが理想です。
⑦ 赤ちゃんの安全にも配慮する
自宅で行う場合、赤ちゃんが近くにいるときは誤ってぶつかったり転倒しないよう、十分なスペースを確保しましょう。抱っこしながらのエクササイズは、慣れてから少しずつ取り入れるのがおすすめです。
まとめ
産後ピラティスは、体への負担が少なく、骨盤のゆがみや筋力の低下をやさしくリセットできる理想的な運動です。ご紹介した5つのメニューはすべて自宅で手軽にでき、育児の合間でも取り組みやすい内容ばかり。
始める際は、必ず医師の許可を得て、無理のない範囲でスタートすることが大切です。呼吸を意識しながら、ゆったりとしたペースで続けていくことで、体と心の回復をサポートしてくれます。赤ちゃんとの毎日をより快適に、そして笑顔で過ごせるよう、まずは1日5分から始めてみませんか?
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